その細い指で。

僕の首に

手を掛けて

嗚呼、

どうしようと云うんだい？

君に僕は

消せないさ

だって、

君は

僕の

操り人形なんだから

踊り続ければ良い

この舞台の上で

足が折れるまで

僕の為に

踊り続ければ良い

嗚呼、

それとも

ホントウに

僕を消す？

それでも良いよ

別にどうってことはない

ただ

君の悲しみが

増す

それだけの話だから














君によって消されることを望みました。けれど君は、僕に背を向け逃げたのです。

其処に君は居ない。

あれ

おかしいな

なにも

みえない

きみも

きみ

の

えがお

も

どうしてどうしてどうしてどうして

みえないの

どうして

みえないの！














たすけて。君に背を押され堕ちた先には闇ばかりが拡がって。

僕から逃れたいだなんて、そんなこと。

君が何考えてるか

僕分かるよ

だって僕らは一心同体

そうでしょ？

君、今

逃げたいって

ねぇ

逃げたいって

思ったでしょ

首を振ったって駄目

僕には分かるんだからね？

君

僕から

逃げたいって

思ったんでしょ

そうでしょ

ねぇ、

そうなんでしょ

知ってるんだから！














絶対逃がさない逃がさない逃がさない！

湿った土の臭いが骨に染みて。

君の骨にキスをして

永い眠りにつきましょう

嗚呼、

どうか起こさないで

これは僕の望んだことなのです

嗚呼、

どうか僕の

この両の腕から

骨を引き摺り出さないで

これは僕のものなのです

嗚呼、

君の総てが僕のものになれば

どんなに良いでしょう！














腐敗臭と湿った土と十字架。

鬼ごっこ。

今宵の

君の御相手は

僕が務めさせて頂きましょう！

嗚呼、

なんと良き日！

満月が怪しく耀く

晩の園

逃げても無駄です

幻影に囚われた君は

もう

僕の掌の中に！

嗚呼、

なんと良き日！

君の傍で

一日を過ごすことが出来るなんて！

僕の渇いたこころが

踊っているよ

嗚呼、

君は

忘れては居ないだろうね

あの約束を！

再び僕と出逢えたら

ずっと

傍に居ると

そう君は言ったよ

いいや、間違いなんかじゃないさ

確かに言った！

だから

もう離さない！

もう放さない！

今宵のダンスの相手は

この僕！

今夜は共に踊ってもらうよ！














鬼ごっこは、もうお仕舞い！早く御家へ帰ろうよ。