この場所に存在する僕。

何かひとつ欠けていたら

何かが変わったかもしれない

例えば感情がなければ、今ここで笑いあったり出来なかっただろう

例えば君が居なければ、今ここに僕は存在しないだろう

例えば僕のぐちゃぐちゃでドロドロなこころがなければ

今の僕じゃなかったはずだ

どんなに自分が嫌でも、その嫌な部分がなければ

今ある僕じゃなかったのだ

そう考えたら、この嫌で嫌で仕方がない短所も

見直すことができる気がする

今、この瞬間に居る自分が

「僕」で良かった

僕が君に出来ること。

僕が君に出来ることなんてほんの一握り

たとえば、君の愚痴を聞いたり

たとえば、一緒に騒いだり

たとえば、傍に居るだけだったり

たとえば、見守ることだったり

そんな些細なことしか出来ない僕だけれど

少しでも、君のこころを支えられるなら

僕は、うれしい

穏やかな日。

午後、二人で過ごす緩やかな時間

君は熱い紅茶、僕は冷たいミルクティで

ケーキを注文して

待っている間が幸せ

君と一緒に居られる、時間

このまま時が止まってしまえば良い

そう思える位、満たされた世界



―――――君と僕とチョコレートシフォンケーキ。

空。

大きな空に向かって手を伸ばした。

手を伸ばしても何も手にする事は無く。

ただただ、青い空が広がるばかり。

空に浮かぶ雲は、僕の頭上を漂うだけ。

無力だと自覚した。

この大きな世界に、ちっぽけな僕。

僕が何をしても、どう足掻いても、世界には何の影響も無い。

最初から解っていた事だけれど、どうしようもなく悲しく思えた。

優しい声。

ふんわり、届いた。

やわらかいひかりに包まれる、ような気分になれる。

あたたかい、あたたかい手。

優しい、優しい声。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。

君が居たから、僕は、今ここにいる。