何も知らないまま奪ったの。

僕は君を知らない

君は僕を知らない

僕は僕が傷つけ奪ってしまった

ヒカリを知らない

君は君が傷つけ奪ってしまった

ひかりを知らない

誰かの願いも望みも

言葉も

何も知らない

何も















この世界で僕のことを覚えていてくれる人はどれくらい居るだろうか。

雷鳴轟き、雨脚は強くなる。

ゴロゴロ

ぴかぴか光る雷

一瞬みえるヒカリは

まるで竜のようで

音を立てて降る雨は

まるで君の涙のようで

薄暗い空は

まるで君のこころのよう

でも

でもね

そんなの君らしくないって

思う

君はきっと台風をも起こす

そんな荒々しい気性を持ち

乾いた大地に恵みの雨をもたらす

繊細なこころも持って

悲しみなんてない

雷のような君は

ただひどく耀いていて

ひどく遠いひと

だから、ねぇ

曇り空なんて吹き飛ばしてよ















もう逢うことは無い、懐かしき友へ。

赫蒼翠橙。

滴る激情

ひたすらに追い続ける

赫を身に纏った

僕を楽しませてくれる玩具

大きな鎌を持った死神が

君を狩ろう、と嘲笑っているよ

さぁさ、はやく逃げないと

死神が君を喰ろうてしまう

真黒な月が君には視える？

蒼の鎖が君の足元に絡みつく

赫が闇に浮かんで映える

翠の草の葉、赫を目立たせ

橙の道は月夜に照らされ

知れえぬ道に辿りつく

往くミチはただ一つ

真直ぐ突き進む

何があろうとも















夜を食む朝が来れば。

二人出会ったあの日から、ずっと。

いつか失くしてしまうのが怖い

なら、僕の手で失くしてしまえば

僕の知らないところで失ってしまうのならば

僕自身の手で失くしてしまえばいい



苦く

甘く

その毒に

侵されていく

傷口から侵食して

僕は、きみのマリオネット



君がひらり、ひらり

揺れて飛んでいくから

僕は

僕は君を捕まえるために走り

君を見失っては

立ち止まった












後ろを振り返るな。君のもとへ、還りたくなるから。

ぼくはきみにもわらっていてほしい。

うまれてからこんにちまで

こうふくにいきてきたぼく

もっと、せかいをいろいろなかくどで

けんぶんしていきたい

そして、できるだけいつもわらっているように

えみをたやすことなく

いきていきたい



だから、これはぼくのえごなんだよ、きっと。